ベストだったかもしれないハリル更迭のタイミング

遅すぎるという声も多いようですが、統計的には、クラブチームの監督が交代してからおよそ10試合ほどは、成績が向上する傾向にあるそうです。もちろんそこから先は新監督次第ですが。戦術的なものよりも、チームの空気が変わってほどよい緊張感が生まれるのでしょう。A代表とクラブチームを同列に語ることは難しいですが、クラブで試合が週1とすると10試合はおよそ2か月。これくらいが、新しい空気の賞味期限なんでしょう。と考えると、ワールドカップ本番2か月前の今というのは、悪くないタイミングじゃないかと思います。

もちろん、今からチームを大きく作り変えるのは無理でしょう。ある程度は前監督の戦術を踏襲しつつ、前監督がこだわりすぎていたところに手直しを加えていくというスタイルになると思います。

ワールドカップでは相手はすべて格上なので、もちろん守備を主体に考えるというのもハリルも同じでした。まあその守備のコンセプトが、デュエルデュエルとかいう日本にあまりマッチしない方法だったってだけで。

ここからはいわゆる「俺の考えた日本代表」で、点を取るのはセットプレーに頼ることになると思いますが、今の日本代表にはいいキッカーが少ないので、ワントップは本田。守備を優先で考えると左に乾、右に岡崎。中盤には、長谷部、山口に加えて、川崎の谷口を推します。本職はCBですが、ケガや出場停止などのチーム状況によってはボランチで出場することもよくあります。谷口の特徴はなんといっても得点力、セットプレーにめっぽう強いです。吉田と2人いれば得点のチャンスは増えるでしょう。

ビハインド時は相手が引いてくれてポゼッションできる可能性もあるので、サブに川崎組の小林、中村憲剛、大島を。一から連携を作る時間はないのでパッケージで連れてくる。逆に運よく先制できてカウンターを狙える時用に、森岡、久保、大迫、とかから調子のいい選手をピックアップ。

正直、ハリルのサッカー見ててクソつまらなかったし、ワールドカップが自分の中で全然盛り上がってなかったんですが、今回の解任で一気に興味がわきました笑
がんばれニッポン!

ロンドンからリオ メダルの遷移まとめ

史上最高のメダル獲得数ということなので、ロンドンとリオでメダル獲得種目がどうなったのかまとめてみました。雑ですが。

2016-08-22_015616 2016-08-22_015634 2016-08-22_015643

メダル獲得数だけ見ると、オリンピックって世界陸上&世界水泳&柔道世界選手権&レスリング世界選手権の合算だけで70%くらい占めてる感じです。東京オリンピックに向けて、毎年行われている方の世界大会にも注目していきたいですね!当たり前ですが来年以降なので、忘れないようにしないと笑

そういえば、あれだけ準備がやばいと言われていたリオオリンピックだけど、なんだかんだ大きな混乱もなく終わったってことでいいんでしょうかね。サッカーナイジェリア代表の飛行機遅れ、プールが緑色、女子卓球の部屋のトイレが壊れた、くらいしかトラブルは聞いていないような。

男子テニスがどれくらい4強か調べてみた

フェデラーの1強、ナダルが加わって2強、ジョコビッチとマレーが加わって4強と時代が変わってきた男子テニスですが、実際にどれくらい4強なのか調べてみました。
table

上4行が各4大大会、グランドスラムの優勝、次の4行が準優勝、その次の8行がベスト4です。まぁこれだけ見ても、06-13の8シーズン32大会で、4強以外が優勝したのが1回だけというレベル。その1回は09全米のデルポトロなんですが、この大会にしたって準優勝はフェデラーだし、ベスト4のあと2人もナダルとジョコビッチです。

でもちょっとこれだけだとわかりづらいので、4強のベスト4占有率というのを出してみました。優勝が4pt、準優勝2pt、4強1ptで年度ごとに合計します。1大会の合計が8ptですので、年度合計で32ptがMAXとなります。ちなみにこの32ptというのは、4人が4つの大会すべてでベスト4を独占してようやく達するポイントです。

この32ptまで、あとたった2ptと肉薄した年がありました。11シーズンなんですが、全豪のナダルとウィンブルドンのフェデラー以外はベスト4を4人で独占しています。落とした2つにしたってベスト8には入ってますので恐ろしい4強っぷりです。

次に、4強それぞれの推移を見てみます。1年間4大会を優勝したときの16ptがMAXになります。特別ゲストとして、4強以外の選手を合計した、その他選手にも参加していただきました。そのグラフがこちらです。

graph

 

05シーズンまでは最強だったその他選手ですが、フェデラーが1強時代に突入するとスランプに突入し、そこからはもうまるで1人の選手であるかのような戦績。14シーズンは盛り返してますが、そのうち2ptはもちろん錦織のポイントです。明らかに4強は崩れてきているので、来シーズンはもう全く読めません。

データから見る錦織vsチリッチ

とても見ていてつらい試合で、こんな記事書くのも楽しくはないですが・・・

チリッチの強力なサーブ

気分が乗らないので一応さらっと。今回は、チリッチと同じビッグサーバータイプのラオニッチとワウリンカと比較していきます。確かにチリッチの1stサーブは強力で、錦織は17本のエースを奪われましたが、実はベスト8で当たっているラオニッチはさらにすごいビッグサーバーで、錦織は35本のエースを奪われています(※そっちは5セットでゲーム数が全然違う)

指標(vs錦織) チリッチ ラオニッチ ワウリンカ
エース 17 35 18
1stサーブin 45/86 (52 %) 106/192 (55 %) 97/174 (56 %)
1stサーブwon 36/45 (80 %) 87/106 (82 %) 81/97 (84 %)
2ndサーブwon 25/41 (61 %) 40/86 (47 %) 39/77 (51 %)

チリッチは1stサーブで80%のポイント率ですが、これはジョコビッチ戦でも同じ数字で、ワウリンカとラオニッチはもっと高い。問題は、2ndサーブの61%のポイント率でした。2ndで61%ってのは驚異的です。1stサーブの成功率が52%と低めですが、2ndでこれだけポイントできれば1stもリスクとれますね。準決勝のジョコビッチは37%でしたから、いかに錦織のリターンがうまくいかなかったかがわかります。

生かせなかったブレイクポイント

テニスはサービス側がとても有利なゲームで、それはこの試合で錦織が1度しかチリッチのサーブを破れなかったことからもわかるのですが、チャンスは意外と多くありました。

指標 チリッチ 錦織(チリッチ戦) ラオニッチ戦 ワウリンカ戦
ブレイクポイント 5/11 (45 %) 1/9 (11 %) 5/19 (26 %) 3/10 (30 %)

錦織には9回のブレイクチャンスがありましたが、そのうち1回しかブレイクできませんでした。ブレイクチャンスにチリッチの1stサーブがバシバシ決まっていくのは萎えましたね・・・これが3回ブレイクできたとなれば、チリッチにも相当プレッシャーがかかったと思うのですが・・・正直、ここに関しては運もあると思います。無念。

ラリーでも勝てなかった

ジョコビッチ戦で59%だった4-9本のラリーでのポイント率は、この試合では49%でした。ラリーでも勝てなかったことになります。サーブで押されて分の悪い勝負になったのもありますが、チリッチの強打に対応できませんでしたね。サーブを拾うために錦織はベースラインよりも結構下がってリターンしていましたから、リターンを拾えていたとしても守勢に回ってしまうのは仕方ありません。

話が違うじゃねーか!

チリッチはランキングも錦織より下だし、こんな強いなんて聞いてないぞ!みたいな感じですが、こういうビッグサーバーは、乗せれば強いけど、調子悪いと格下にコロッと負けたりするから成績が安定しません。テニスはトーナメントですから、こういう選手はランキング伸ばしにくいんでしょうね。クレーが苦手な傾向になりますし。ちょっと時間ないのでここらで終わりにしますが、錦織はまだまだ強くなってくれるはず。次の全豪は来年の1月です。楽しみにしましょう!

データから見る錦織vsジョコビッチ

394a528e64d6083768e7c5e7f979f7f1-e1391242239626おはようございます。眠いですね。しかし最高の試合を見れたので後悔はしていません。

さて、一応テニスしてたので、データの視点から、今回の準決勝と、錦織のプレースタイルについて解説していきたいと思います。注意点ですが、テニスというスポーツは、セットカウント3-0に終わったもう1つの準決勝でもトータルポイントでは91-74で、ポイント数に差が付きづらい、逆に言えば少しのポイント差が大きな影響を持ちます。

錦織のサーブは弱いのか?

まずは、錦織のサーブの弱さについてです。改善されてきてはいますが、錦織のサーブはまだまだ他の選手に比べると弱いと言えます。わかりやすいのがこのデータです。

指標 ジョコビッチ 錦織 USオープン平均 全仏オープン平均
1stサーブin 66/112 (59 %) 73/125 (58 %) 59% 63%
1stサーブwon 53/66 (80 %) 49/73 (67 %) 73% 69%
2ndサーブwon 17/46 (37 %) 26/52 (50 %) 51% 50%

スタイル崩れててちょっと見づらいですがご勘弁を。

まず目を引くのがジョコビッチの1stサーブが入ったときのポイント率80%です。確かに高いんですが、USオープン全体の平均で70%は軽く超えてますので、プロのサーブってのはそんなもんです。USオープンはハードコートなので球足が速く、特にサーバー有利なんです。ちなみにこれが球足の遅いクレーコートの全仏オープンになると、70%弱くらいまで下がります。

それに比べて、錦織の67%ってのはやはり貧弱で、明確に弱点と言えるでしょう。ただし、錦織は勝負どころとなる第4セットの4-3アップのサービスゲームで、3本のエースを奪いました。全体で5本しかないうちの3本をこのゲームに集中させるあたり曲者すぎます。ナンバーワンを相手に、手の内を隠していたわけです。錦織はこのゲームをキープし、次のゲームをブレイクして勝利を決めました。心理的にも効果は絶大でした

しかし逆に、ジョコビッチの2ndサービスのポイント率37%は相当に低い数字です。錦織の思い切りのいいリターンはジョコビッチを大いに苦しめていました。

ラリーになれば錦織有利、は本当か?

サーブが弱いので、よくラリーになったら錦織有利と言われますが、単純にそうとも言い切れないデータがあります。実は、10本以上のショットが続いたラリーでは、錦織は38%しかポイントできていないのです。ラリーに強いのは抜群のフットワークを誇るジョコビッチも同じで、試合中、バック対バックのラリーが続くと、錦織はチャンスを見出せませんでした。ジョコビッチは錦織がストレートに打ってくるのを狙っていますので、うかつに打つとフォアハンドのカウンターを食らいます。

錦織は見ていて面白い

では錦織のどこが強いのか。それは、4-9本のラリーとなったポイント、ここで錦織は59%ポイントしているのです。簡単に言えば、ドタバタしている中でのショットのクオリティが高く、駆け引きがべらぼうにうまい、ということ。相手が体勢を整える前に、鋭いアングルのショットを打ってオープンコートを作り、早いタイミングのショットで相手が戻る時間を奪いながら一気に攻める。これこそが錦織の真骨頂で、見ている側としては最もエキサイティング。完全に観客が錦織の味方をしていましたが、誰だって見ていて面白いのは錦織でしょう。

ナダルに勝った時も(勝ちかけただけでしたすいません)、今回の試合も、ディフェンスが得意な選手たちが錦織に制圧された時の表情がホントすごいんですよ。焦りがにじみでてパニックになってる。まるで未知の敵に出会ったかのような顔。テニス界の流れを錦織が変えていると言っても過言じゃないと思います。

今からあさっての決勝が楽しみで仕方ありません。がんばれ錦織!