この話をする前に、日本サッカーが目指すゴールの話をしなければなりません。みなさんは、Jリーグ100年構想というのをご存知でしょうか?ざっくり言うと、Jリーグは地域に根差した、生活の一部になりましょうっていう話です。巨人のように全国区のチームを作るのではなく、全国津々浦々に「おらが街のチーム」を作りましょうという、Jリーグの基本理念です。
では、日本代表のゴールはどこでしょうか?僕は、死ぬ前に、日本がワールドカップで優勝するところが見たいです。
98年のフランス大会で、日本は初めてワールドカップに出場しました。2002年大会では、地元開催で初めて勝利を挙げ、グループリーグを突破します。ところが2006年、トルシエの管理サッカーから脱却しようと招へいしたジーコは無能でした、最低でした。日本代表は、4年間を無駄にした上に、ヒデをサッカーの舞台から追いやりました。今度こそクリエイティブなサッカーを、と後を継いだのはオシムでしたが、残念ながら体調を崩し岡田監督が後を継ぎました。ろくにチームの完成度が上がらず、何度も何度も解任論が上がり、最後の最後で恥もプライドも捨てて引きこもりサッカーに切り替え、全盛期だった中澤闘莉王や、すでに守備ではワールドクラスだった長友の活躍で結果を残します。
この中で、日本のワールドカップ優勝に向かって時計の針を進めたのは、誰でしょうか?僕は、トルシエだったと思います。その他の監督たちは、ひたすらに退屈なサッカーをして、見るのも辛かった。
ザックはどうだったでしょうか?思い出してください、オランダ戦、ベルギー戦、ヨーロッパの強豪を相手にアウェーで互角以上に戦いました。それも、引きこもったんじゃありません。がっぷり四つです。ザックのサッカーはクリエイティブでした。見ていて楽しかった。練習時間が少ないはずの代表チームが、流れるようにパスを回しました。史上最強の左サイドを作り上げ、20年間続いた「日本代表の決定力不足論」に終止符を打ちました。たった2戦と言うかもしれません。しかし、まぐれでできる試合でしょうか?ヨーロッパの強豪と互角に戦うのと、ワールドカップで本来の力を出し切れないの、どっちがまぐれでしょうか?
日本代表は今、ちゃんと対策しなければ足元をすくわれるかもしれない、というポジションのチームです。ついにここまで上がってきた。得意のスタイルを持っているんです。調子に乗せたら結構強いんです。史上最強なんですよ今の日本代表は。ザックは針を進めることができる監督です。たったの4年間で、得意のスタイルを作り上げたんです。次の4年間で、うまくそれが出せなかったときもいろんなオプションを持っているようなチームを作ってくれる、そう思いませんか?
ザックを解任して、次を誰がやるんですか?岡田監督ですか?オシムですか?ジーコですか?トルシエですか?ザックよりも日本代表を前に進めてくれて、しかも結果まで残せる監督を探してきますか?そんな超優秀な監督が、日本代表の監督をやってくれますか?
僕が推すのはアルベルト・ザッケローニ、現日本代表監督です