片対数グラフ

このグラフは、ある架空の企業の売り上げの推移です。10年間で大きな成長を遂げていますね。特に近年の成長ぶりは素晴らしいと言えるでしょう。

しかし同じ数字を片対数グラフで表すとこうなります。

この会社の売り上げは、毎年1.5倍くらいずつ伸びています。ただし、3年目から4年目だけはおよそ5倍の伸びなんですね。この年にこそ、飛躍の要因となった何かがあったに違いありません。このポイントに、最初のグラフだけで気づけるでしょうか?

普通のグラフ(線形グラフと呼びます)は、グラフの目盛が0,200,400と、同じ数だけ増えていきます。それに対して2つ目のグラフ、片対数グラフは、グラフの目盛が10,100,1000と、同じ倍率で増えていきます。その結果どうなるかというと、普通のグラフは「毎年○○ずつ増える」といった数字を直線であらわすのに対して、片対数グラフは「毎年○○倍になる」といった数字を直線であらわすようになります。

世界人口の推移の概要グラフ

※GIGAZINE http://gigazine.net/news/20111028_population_7_billion/ より

人口というものは、ネズミ算式に増えるものです。100年で○人ずつ増えるものではなく、100年で○倍に増えるものです。このグラフでは、もし「三国志の西暦200年前後に世界人口が10年で1.5倍に増えていた!」みたいなイベントがあっても気づきにくいですよね。なんせメモリが10億人ずつですから、1.5億人増えてもあまり傾きが変わりません。それが3億⇒4.5億の1.5億であっても。

人口や会社の売り上げなど、前年”比”で表わす数値は、すべて片対数グラフにするべきです。 グラフは、「他と違う変化をしている場所を探す」ことが非常に重要です。普通のグラフでは、100→1100と1000→2000を同じ傾きで表わしてしまうので、大昔の異常な年代に気づけません。片対数グラフなら、異常な伸び”率”が異常な傾きとして表現されます。

この片対数グラフはエクセルで簡単に作れます。売り上げ推移を普通のグラフで表現して、見る側がなぜ誰も文句を言わないのか不思議でなりません。スタート直後ならともかく、すでにある程度形になっているビジネスに求められてるのは、伸び幅ではなくて伸び率だと思うのですが。