過去最高益は本当に偉いのか?

企業ってどうあるべきだろう?例えば、社員は100人しかいないけど、毎年1000億円の利益を出し続ける。なるほど素晴らしそうだが、こんな企業ばかりの社会は成立するだろうか?

まず、利益ってどこから来るんだろう?利益ってのはつまり貯金の増減。A社の貯金が増えるんだから、他の誰かの貯金が減るか、お金の総量が増えなきゃいけない。お金の総量増やすのはつまりインフレで今は限度があるから、結局他の誰か、つまり政府か、他の企業か、消費者の貯金を吸い上げてるだけなんじゃないか?全然永続性がない。これを防ぐには、消費者、つまり従業員に給料を払って利益を減らすか、政府などを通じて再配分するしかない。

世の中に1つしか企業がない世界を想像してみればいい。払った給料の分しかモノは売れないのだ。企業はお金を流すエンジンになるべきで、エンジン(企業)にガソリン(お金)をためてはいけない。

雇用を指標として考えてみる

雇用は、必死に作り出すものだ。雇用を生み出すことこそが偉大だ。人を切る経営者は、自社の数字しか見ていない。会社から独立した人は、自分の代わりが職にありつけるから、1人分の雇用を作ってる。自分で他の人を雇えればなお良い。

もちろん、赤字を出し続けていたら船が沈むのでそういうケースは仕方ないが、赤字だけでなく、黒字もまた良くない。事業を効率化して、少ない人数でも回るようにする、これも良さそうだが、浮いた人員を別の何かに当てるのとセットでなくてはいけない。事業を大きくすることではなく、効率化自体が最終目的になっている効率化は、社会全体でみると自分で自分の首を絞めている。

グローバル市場で勝ち抜くために、徹底的な効率化を。もしこの競争が一通り終わって、世界に数えるくらいしか企業がなくなれば、どのように利益を再分配していくかを嫌でも考えなくてはいけなくなるんだろう。例えばSamsungとかは、利益をあげてはいるものの、韓国経済に全然還元できていないらしいし。食料の備蓄は全然ないんだけど、とりあえず目の前にオオカミがいるからそいつを倒さなくちゃいけない。グローバル企業って今、そんな状態なんだろうな。