近くの某ジムで体験レッスンやってるっていうから行ってみたんです。正面と後ろからスイングを撮ってくれてフォームがチェックできるという優れもののシミュレーションマシンを使います。プロのスイングと比較してどこが悪いかチェックできるなんて自慢げに言ってくるんですよ。その時点でまあだいたいの想像はついていました。
いざレッスン・・・いや、あれをレッスンとは呼びたくないですが、始まってみると、何回かスイングしてみて、「あなたのスイングのよくないところはココとココとココ!だからこう直しましょう」みたいなことを言い始めるんです。
いやあなたそれはレッスンじゃなくて間違い探しですよ、と。そんなことは素人にだってできるんです。高いお金を払ってあなたに期待することは、そんなことではありません。
プロのスイングのマネをするのがいいと思い込んでるんですよね。しかも、そのプロというのも特定の誰かのことを指していて、たった1つ正解のスイングというものがあり、それにいかに近いかどうかがスコアを決めると思っているようです。
人にはそれぞれ違いがあり、それは性格的なものだったり、筋肉の付き方だったり、今までの別のスポーツの経験だったりするわけです。軍隊や、機械のチューンアップじゃないんです。ひとりひとりにあったフォームを提案してほしいんですよ。
「今あなたのスイングはこうなっていますが、意図があってそうしているのですか?」
これくらいの質問はあって当然です。「アイスホッケーからゴルフに転向した選手が変わったフォームをしているが参考にならない」と言っていましたがとんでもない。プロのコーチを名乗りたければ、その選手こそが貴重な見本です。そういう引き出しの多さが、どれだけそれぞれに合ったアドバイスができるかを決めるのです。
いろんな選手のフォームを知っていること、その意図を自分なりに理解して消化していること、相手に合ったフォームをチョイスできること、それを言語化して伝えることができること。いいコーチっていうのは、そういうことだと思います。