男子テニスがどれくらい4強か調べてみた

フェデラーの1強、ナダルが加わって2強、ジョコビッチとマレーが加わって4強と時代が変わってきた男子テニスですが、実際にどれくらい4強なのか調べてみました。
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上4行が各4大大会、グランドスラムの優勝、次の4行が準優勝、その次の8行がベスト4です。まぁこれだけ見ても、06-13の8シーズン32大会で、4強以外が優勝したのが1回だけというレベル。その1回は09全米のデルポトロなんですが、この大会にしたって準優勝はフェデラーだし、ベスト4のあと2人もナダルとジョコビッチです。

でもちょっとこれだけだとわかりづらいので、4強のベスト4占有率というのを出してみました。優勝が4pt、準優勝2pt、4強1ptで年度ごとに合計します。1大会の合計が8ptですので、年度合計で32ptがMAXとなります。ちなみにこの32ptというのは、4人が4つの大会すべてでベスト4を独占してようやく達するポイントです。

この32ptまで、あとたった2ptと肉薄した年がありました。11シーズンなんですが、全豪のナダルとウィンブルドンのフェデラー以外はベスト4を4人で独占しています。落とした2つにしたってベスト8には入ってますので恐ろしい4強っぷりです。

次に、4強それぞれの推移を見てみます。1年間4大会を優勝したときの16ptがMAXになります。特別ゲストとして、4強以外の選手を合計した、その他選手にも参加していただきました。そのグラフがこちらです。

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05シーズンまでは最強だったその他選手ですが、フェデラーが1強時代に突入するとスランプに突入し、そこからはもうまるで1人の選手であるかのような戦績。14シーズンは盛り返してますが、そのうち2ptはもちろん錦織のポイントです。明らかに4強は崩れてきているので、来シーズンはもう全く読めません。

データから見る錦織vsチリッチ

とても見ていてつらい試合で、こんな記事書くのも楽しくはないですが・・・

チリッチの強力なサーブ

気分が乗らないので一応さらっと。今回は、チリッチと同じビッグサーバータイプのラオニッチとワウリンカと比較していきます。確かにチリッチの1stサーブは強力で、錦織は17本のエースを奪われましたが、実はベスト8で当たっているラオニッチはさらにすごいビッグサーバーで、錦織は35本のエースを奪われています(※そっちは5セットでゲーム数が全然違う)

指標(vs錦織) チリッチ ラオニッチ ワウリンカ
エース 17 35 18
1stサーブin 45/86 (52 %) 106/192 (55 %) 97/174 (56 %)
1stサーブwon 36/45 (80 %) 87/106 (82 %) 81/97 (84 %)
2ndサーブwon 25/41 (61 %) 40/86 (47 %) 39/77 (51 %)

チリッチは1stサーブで80%のポイント率ですが、これはジョコビッチ戦でも同じ数字で、ワウリンカとラオニッチはもっと高い。問題は、2ndサーブの61%のポイント率でした。2ndで61%ってのは驚異的です。1stサーブの成功率が52%と低めですが、2ndでこれだけポイントできれば1stもリスクとれますね。準決勝のジョコビッチは37%でしたから、いかに錦織のリターンがうまくいかなかったかがわかります。

生かせなかったブレイクポイント

テニスはサービス側がとても有利なゲームで、それはこの試合で錦織が1度しかチリッチのサーブを破れなかったことからもわかるのですが、チャンスは意外と多くありました。

指標 チリッチ 錦織(チリッチ戦) ラオニッチ戦 ワウリンカ戦
ブレイクポイント 5/11 (45 %) 1/9 (11 %) 5/19 (26 %) 3/10 (30 %)

錦織には9回のブレイクチャンスがありましたが、そのうち1回しかブレイクできませんでした。ブレイクチャンスにチリッチの1stサーブがバシバシ決まっていくのは萎えましたね・・・これが3回ブレイクできたとなれば、チリッチにも相当プレッシャーがかかったと思うのですが・・・正直、ここに関しては運もあると思います。無念。

ラリーでも勝てなかった

ジョコビッチ戦で59%だった4-9本のラリーでのポイント率は、この試合では49%でした。ラリーでも勝てなかったことになります。サーブで押されて分の悪い勝負になったのもありますが、チリッチの強打に対応できませんでしたね。サーブを拾うために錦織はベースラインよりも結構下がってリターンしていましたから、リターンを拾えていたとしても守勢に回ってしまうのは仕方ありません。

話が違うじゃねーか!

チリッチはランキングも錦織より下だし、こんな強いなんて聞いてないぞ!みたいな感じですが、こういうビッグサーバーは、乗せれば強いけど、調子悪いと格下にコロッと負けたりするから成績が安定しません。テニスはトーナメントですから、こういう選手はランキング伸ばしにくいんでしょうね。クレーが苦手な傾向になりますし。ちょっと時間ないのでここらで終わりにしますが、錦織はまだまだ強くなってくれるはず。次の全豪は来年の1月です。楽しみにしましょう!

データから見る錦織vsジョコビッチ

394a528e64d6083768e7c5e7f979f7f1-e1391242239626おはようございます。眠いですね。しかし最高の試合を見れたので後悔はしていません。

さて、一応テニスしてたので、データの視点から、今回の準決勝と、錦織のプレースタイルについて解説していきたいと思います。注意点ですが、テニスというスポーツは、セットカウント3-0に終わったもう1つの準決勝でもトータルポイントでは91-74で、ポイント数に差が付きづらい、逆に言えば少しのポイント差が大きな影響を持ちます。

錦織のサーブは弱いのか?

まずは、錦織のサーブの弱さについてです。改善されてきてはいますが、錦織のサーブはまだまだ他の選手に比べると弱いと言えます。わかりやすいのがこのデータです。

指標 ジョコビッチ 錦織 USオープン平均 全仏オープン平均
1stサーブin 66/112 (59 %) 73/125 (58 %) 59% 63%
1stサーブwon 53/66 (80 %) 49/73 (67 %) 73% 69%
2ndサーブwon 17/46 (37 %) 26/52 (50 %) 51% 50%

スタイル崩れててちょっと見づらいですがご勘弁を。

まず目を引くのがジョコビッチの1stサーブが入ったときのポイント率80%です。確かに高いんですが、USオープン全体の平均で70%は軽く超えてますので、プロのサーブってのはそんなもんです。USオープンはハードコートなので球足が速く、特にサーバー有利なんです。ちなみにこれが球足の遅いクレーコートの全仏オープンになると、70%弱くらいまで下がります。

それに比べて、錦織の67%ってのはやはり貧弱で、明確に弱点と言えるでしょう。ただし、錦織は勝負どころとなる第4セットの4-3アップのサービスゲームで、3本のエースを奪いました。全体で5本しかないうちの3本をこのゲームに集中させるあたり曲者すぎます。ナンバーワンを相手に、手の内を隠していたわけです。錦織はこのゲームをキープし、次のゲームをブレイクして勝利を決めました。心理的にも効果は絶大でした

しかし逆に、ジョコビッチの2ndサービスのポイント率37%は相当に低い数字です。錦織の思い切りのいいリターンはジョコビッチを大いに苦しめていました。

ラリーになれば錦織有利、は本当か?

サーブが弱いので、よくラリーになったら錦織有利と言われますが、単純にそうとも言い切れないデータがあります。実は、10本以上のショットが続いたラリーでは、錦織は38%しかポイントできていないのです。ラリーに強いのは抜群のフットワークを誇るジョコビッチも同じで、試合中、バック対バックのラリーが続くと、錦織はチャンスを見出せませんでした。ジョコビッチは錦織がストレートに打ってくるのを狙っていますので、うかつに打つとフォアハンドのカウンターを食らいます。

錦織は見ていて面白い

では錦織のどこが強いのか。それは、4-9本のラリーとなったポイント、ここで錦織は59%ポイントしているのです。簡単に言えば、ドタバタしている中でのショットのクオリティが高く、駆け引きがべらぼうにうまい、ということ。相手が体勢を整える前に、鋭いアングルのショットを打ってオープンコートを作り、早いタイミングのショットで相手が戻る時間を奪いながら一気に攻める。これこそが錦織の真骨頂で、見ている側としては最もエキサイティング。完全に観客が錦織の味方をしていましたが、誰だって見ていて面白いのは錦織でしょう。

ナダルに勝った時も(勝ちかけただけでしたすいません)、今回の試合も、ディフェンスが得意な選手たちが錦織に制圧された時の表情がホントすごいんですよ。焦りがにじみでてパニックになってる。まるで未知の敵に出会ったかのような顔。テニス界の流れを錦織が変えていると言っても過言じゃないと思います。

今からあさっての決勝が楽しみで仕方ありません。がんばれ錦織!

夏に休むという時代錯誤な考え方はもうやめよう

夏ですね、暑いですね。

夏というのは、どう考えても冬と並んで日本の四季の中で遊ぶのに適さない季節だと思うのですがどうなんでしょうか。もともと冷房がなかった時代、さすがにこう暑くては勉強できんとか、畑仕事を手伝わないといかんといった理由で夏に長期の休みを設けたんでしょうが、今は時代が違います。冷房だってあるし畑仕事なんてない。

夏と冬は空調の効いた室内でしっかり勉学に励み、過ごしやすい春と秋に外でスポーツとかレジャーとかを楽しめばいいんです。読書の秋とか冗談じゃない、夏こそ外なんかで遊ばずに読書するべきです。子供たちだって、こんな暑い日に部活やったって疲れるだけで上達なんてしませんよ。日本のカレンダーが3か月ずれて秋が部活のシーズンになったら、確実にレベルが上がります。

子供の夏休みに付き合うお父さんたちも大変そうです。ポケモンスタンプラリーがなぜ地獄絵図かというと、それは真夏だからです。あれが秋なら、ガチになってスタンプを集めるのはお父さんたちになります。疲れたとグズる息子を励ましながら、目をギラギラさせたお父さんたちが首都圏を駆け回る構図に変わるはずです。

もちろん、これによって負の影響を受けるところもあるでしょう。まず真っ先に浮かぶのは音楽業界です。TUBEにとっては死活問題になるでしょう。「あー夏休み」は黒歴史になってしまうかもしれませんね。湘南乃風、オレンジレンジあたりもダメージは免れません。サザンやケツメイシ、ゆずあたりはオールシーズンいけるのでなんとか生き残れそうです。

ちょうどつい最近、千葉市で学校に冷房を導入するかどうかの議論があり、夏休みもあるから限られた期間しか使われない、ということで却下されたそうです。しかしシリコンバレーで一番いいことは気候、みたいな話も聞きますし、1年の1/4を占める夏の扱い方は、真剣に向き合わなければいけない議題だと思います。

他にも、海というコンテンツそのものが、夏休みという援護射撃を受けて過大評価されているんだと思うんだよなー。

夏休みがなくても、夏、好きですか?

ワールドカップ1分2敗になったとしても、僕がザックに続投してほしいと思う理由

この話をする前に、日本サッカーが目指すゴールの話をしなければなりません。みなさんは、Jリーグ100年構想というのをご存知でしょうか?ざっくり言うと、Jリーグは地域に根差した、生活の一部になりましょうっていう話です。巨人のように全国区のチームを作るのではなく、全国津々浦々に「おらが街のチーム」を作りましょうという、Jリーグの基本理念です。

では、日本代表のゴールはどこでしょうか?僕は、死ぬ前に、日本がワールドカップで優勝するところが見たいです。

98年のフランス大会で、日本は初めてワールドカップに出場しました。2002年大会では、地元開催で初めて勝利を挙げ、グループリーグを突破します。ところが2006年、トルシエの管理サッカーから脱却しようと招へいしたジーコは無能でした、最低でした。日本代表は、4年間を無駄にした上に、ヒデをサッカーの舞台から追いやりました。今度こそクリエイティブなサッカーを、と後を継いだのはオシムでしたが、残念ながら体調を崩し岡田監督が後を継ぎました。ろくにチームの完成度が上がらず、何度も何度も解任論が上がり、最後の最後で恥もプライドも捨てて引きこもりサッカーに切り替え、全盛期だった中澤闘莉王や、すでに守備ではワールドクラスだった長友の活躍で結果を残します。

この中で、日本のワールドカップ優勝に向かって時計の針を進めたのは、誰でしょうか?僕は、トルシエだったと思います。その他の監督たちは、ひたすらに退屈なサッカーをして、見るのも辛かった。

ザックはどうだったでしょうか?思い出してください、オランダ戦、ベルギー戦、ヨーロッパの強豪を相手にアウェーで互角以上に戦いました。それも、引きこもったんじゃありません。がっぷり四つです。ザックのサッカーはクリエイティブでした。見ていて楽しかった。練習時間が少ないはずの代表チームが、流れるようにパスを回しました。史上最強の左サイドを作り上げ、20年間続いた「日本代表の決定力不足論」に終止符を打ちました。たった2戦と言うかもしれません。しかし、まぐれでできる試合でしょうか?ヨーロッパの強豪と互角に戦うのと、ワールドカップで本来の力を出し切れないの、どっちがまぐれでしょうか?

日本代表は今、ちゃんと対策しなければ足元をすくわれるかもしれない、というポジションのチームです。ついにここまで上がってきた。得意のスタイルを持っているんです。調子に乗せたら結構強いんです。史上最強なんですよ今の日本代表は。ザックは針を進めることができる監督です。たったの4年間で、得意のスタイルを作り上げたんです。次の4年間で、うまくそれが出せなかったときもいろんなオプションを持っているようなチームを作ってくれる、そう思いませんか?

ザックを解任して、次を誰がやるんですか?岡田監督ですか?オシムですか?ジーコですか?トルシエですか?ザックよりも日本代表を前に進めてくれて、しかも結果まで残せる監督を探してきますか?そんな超優秀な監督が、日本代表の監督をやってくれますか?

 

僕が推すのはアルベルト・ザッケローニ、現日本代表監督です